くろうさぎの小道

不定形です

自粛要請

「自粛を要請する」

 

 

「自粛」は「自粛」である。人に言われる筋合いじゃない。百歩譲って「自粛要請」なるものが成立するとして、要請に応じないからと言って、責められるいわれはない。

どういう根拠を持って他者を責めるのか。何をもって不要不急と定義するのか。そもそも我々がもつ権利の行使をどうとらえるのか。

 

法で禁止できないというのなら、そういうことだ。公衆衛生上の危機よりも移動の自由の方が優位であると。

 

補償の議論はあるだろうと思う。すべての損失に対して補償することは不可能だ。

だがそれでも、公的な安全衛生、コロナのみならず医療の持続性、最終的には国民の生命・健康を目的に「自粛要請」ではなく「禁止」を選択せねばならない時がくるときに、この国の悲しいかな我々が選んだ代表者たちはやらねばならないことをやる胆力があるだろうか。

いつまでも「自粛要請」で意思決定を先延ばしにしているところを見ると、残念ながらすでに期待薄だ。

学校のみ休校措置とし、保育園や学童保育を稼働させるというチグハグ。経済活動を維持する前提のまま、何となくできそうなことをやってみた。しかもその根拠・目的をろくに説明できない。そんな指導者だ。

世論の様子をうかがってから話す内容を決めているようでは、ウイルスを先回りして抑え込むことなど期待できようはずがない。

 

まずは

「家にいて下さい」「家から出ないでください」

「可能な限り対策は打つが、国民の一部への健康影響、経済影響はもう回避できない」

と言えるかどうか。

 

公の利益のために。